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PCコラム Webブラウザ徹底比較(2) 独自編

Webブラウザ徹底比較 独自編

先日の続きです。前回のテストで、定番と言われるいわゆる3大ブラウザの旧バージョンと最新版での表示の違いを見てきました。今回は、もうすこしマイナーなブラウザで同様のテストを行い、その独特な表示を見てみたいと思います。

シェアが低かろうがなんだろうが、それぞれのブラウザには特徴があり、特定の用途において威力を発揮するタイプなため、その特性を知っておくのも損ではないかと思われます。

テスト方法

前回と同様、「同一のページをいろんなブラウザで見てみる」ということだけです。今回は以下の7種類のブラウザを用意しました。いずれもWindows2000で動くものを使用します。

テストに使用したマシン環境は前回の記事を参照して下さい。

表示するページも前回と同様、以下の4ページとなります。

ただし、今回のテストは前回とは別な日に行ったため、そもそもページの内容が前回と異なっています。ソースを確認したところ、htmlの構造などの表示手段に影響する部分での変更はされていないように見えましたが、前回のテストと今回のテストを比較する際には注意して下さい。

テスト結果の前に

今回のテスト結果は、あくまで私の環境におけるそのテストを実施した時点での表示結果です。サイトにしてもブラウザにしても、以前のことも将来のことも保証することはできません。

Mozilla 1.6

簡単に言えばNetscapeのオープンソース版。そのバージョン1.6ではNetscape 7よりちょっと新しいGeckoエンジンを搭載。まあ表示はNetscape 7とあんまり変わらないかな。今回テストするブラウザの中では最もまともな表示をするのではないかと思っていますが、どうでしょうか。

Mozilla1.6でYahoo!Japanを表示した例 Mozilla1.6でxhtml1.0の仕様書を表示した例 Mozilla1.6で愛生会を表示した例 Mozilla1.6でむぅもぉ.jpを表示した例

ほぼネスケ7と一緒。若干の違いも見られますが、多少ズレが整えられたという程度。もはやGeckoエンジンは微調整の段階に入ったということでしょうか。Yahooが明朝体なのは何でだろう。ブラウザの初期設定がそうなのかな。

Mozilla firefox0.8

Geckoエンジンを搭載したMozillaの、使いやすさの点で洗練していって生まれた新しいブラウザ。正式リリースではないものの、十分な機能と安定性を持つため常用も十分可能。そしてなんといっても機能拡張をしていくとどんどん便利になっていくのがおもしろい。表示に関してはNetscape 7やMozilla 1.6と大差ないと思われます。

firefox0.8でYahoo!Japanを表示した例 firefox0.8でxhtml1.0の仕様書を表示した例 firefox0.8で愛生会を表示した例 firefox0.8でむぅもぉ.jpを表示した例

一応Geckoのバージョンはこのfirefox 0.8のものが一番最新なのですが、目に見える違いはないようです。

表示よりも際立ったのはfirefoxの軽さ。これまでのブラウザと比較して桁違いに速い気がします。何が速いのかは自分でもよくわかりません。通信速度は一緒だし、表示速度は他のGeckoと同じくらい。それなのになぜかキビキビ動いてるような印象を受けます。

ただしGeckoエンジン全般に言えることですが、ウィンドウのサイズを変更したときの再描画が遅すぎ。特にスタイルシートを多用しているページ(たとえば当サイト)を表示したままウィンドウのサイズを大きくしたり小さくしたりすると、まともにサイズ調整ができないんじゃないかと思うほど重くなる。PCの性能にもよりますが、UIが速いのはMozilla、表示エンジンやJavaScriptが速いのはIEといった感じです。

Lynx 2.8.5rel1THa

いよいよここからは独自エンジンをどんどん試していきます。まずはテキストブラウザの定番、Lynx。今回は日本語に対応していて、なおかつ簡単にインストールができたこのバージョンを使用しました。もともとIEのような表示を望んではいけません。いかに軽快に文字情報を読みやすく表示できるのかに注目して下さい。

LynxでYahoo!Japanを表示した例 Lynxでxhtml1.0の仕様書を表示した例 Lynxで愛生会を表示した例 Lynxでむぅもぉ.jpを表示した例

さすがYahoo!テキストベースでも十分に利用できます。広告なのか有益な情報なのかの判別さえできれば普通に使えます。xhtmlの仕様書は完璧です。スクロールなどの動作が軽快なのでグラフィカルな表示よりも読みやすい気がしてくるほど。

愛生会については、フレームが使用されていましたが、Lynxではフレームに非対応なため、TOPページの下フレームに割り当てられているページを見てみました。ですが、ワケわかんないです。まあワケわからないという点ではIE6で見たとしても一緒ですが、大事な情報すら読み取ることができないため、ホームページとしての意味を持たなくなってしまいました。画像があって始めて成り立つような、例えば絵や写真のサイトならともかく、病院のサイトがこんなことでは、Lynxしか使えない環境にある場合Webでこの病院の情報を調べることは不可能ということになってしまいます。派手な表示もいいですが、最低限必要な情報はどんな環境(ケータイなど)からでも見れるような気配りがしてあれば便利な世の中になると思うんですが。

そして当サイト。全てのレイアウト的な役割はcssに任せ、htmlとしては「見出しはh要素」「リストはul要素」「段落はp要素」という単純なマークアップなので、普通に読むことができます。自分で言うのもなんですが、せめてウチくらいの対応はみんなにやって欲しいところです。いつまでもWindowsパソコンでIEを使うことだけがインターネットではないと思いますので、そうなったときにちゃんと読めるようなものがいいです。

影鷹

これは非常におもしろいブラウザです。なんと縦書き。文章が縦書きで表示されて、右から左に読んでいくわけです。ニュースサイトや小説サイトなどを読む際、新聞や書籍と同じように縦に読むことができるこのブラウザはなかなか便利。また、多くのPCの画面は横に長いため、横に読み進める形式の方が実は一画面にたくさんの情報が表示できるのです。

影鷹でYahoo!Japanを表示した例 影鷹でxhtml1.0の仕様書を表示した例 影鷹で愛生会を表示した例 影鷹でむぅもぉ.jpを表示した例

Yahoo!はおもしろいくらいそのまま横になった感じです。TOPではわかりにくいですが、このままYahoo!ニュースを読むと、なかなか読みやすいのです。新聞っぽくて。xhtmlの仕様書は、英語のため縦書きには向いてないですねぇ。すごく読みにくい。ですが表示としてはかなり美しいことは確かです。

Lynx同様フレームに対応してないため、愛生会は下のフレームに割り当てられてるページを表示。このページは画像しか使われていないため、そのまんま横になりました。大手企業サイトでもよく見られますが、ただの文字をわざわざ画像にしているサイトが多く存在します。そういった場合、人によってはこうやって縦書きの方が読みやすかったり、英語に翻訳して読みたかったり、目が見えないから音声読み上げブラウザを使っていたり、はたまたケータイで接続しているから画像は読み込まずに文字だけ読み込みたかったりなど、いろんな人がいるわけですが、そういう人を一切無視していることになってしまいます。見た目がカッコいいからって文字をどんどんお気に入りのフォントで画像化する前に、そういう配慮もしておくのが本当にカッコいいサイトとなれるのかも知れません。alt属性やtitle属性を適切に割り当てたり、テキスト版を別に用意するのもいいですね。

影鷹は結構スタイルシートに対応しているようで、当サイトを表示させてみたら意外にも読める程度に表示されました。ネスケ4.7なんかより数倍マトモです。この画像からは見えませんが、左にスクロールしていくとニュース記事が縦書きで読めるわけです。縦もなかなかいいものです。

Amaya 8.5

泣く子も黙るW3C謹製のブラウザ。正確に言えばブラウザでありエディタでもあります。つまり見ながら編集もできちゃう。これはWWWを発明したティム・バーナーズ・リー氏が当初から言っていたことで、情報を見るだけでなく自分なりに編集をして、それを保存するというのが大事だという考え。W3Cのブラウザですから、その考え方をしっかり取り入れているわけです。

そして、やはりhtmlを勧告しているW3Cが直々に作ったブラウザですから、美しい表示を期待してしまいますが・・・。

AmayaでYahoo!Japanを表示した例 Amayaでxhtml1.0の仕様書を表示した例 Amayaで愛生会を表示した例 Amayaでむぅもぉ.jpを表示した例

ガックシです。当サイトだけメチャクチャです。切なくなる。下にスクロールするとヒドすぎてだんだん泣けてきます。まだ愛生会(フレーム非対応なため下フレーム部分を表示したもの)の方がキレイに表示されてることに驚き。標準化されたxhtml+cssで環境に依存しない表示というのは幻想なんでしょうか・・・。

それにしてもxhtmlの仕様書はキレイに出てます。完璧です。やはりW3C謹製ブラウザってだけありますね。

Lite

これは軽さがウリのブラウザ。実際本当に軽いです。とにかくデータを取得したら即表示っていう感じ。ただしhtml3.2までにしか対応しておらず、cssは完全に非対応とのこと。

LiteでYahoo!Japanを表示した例 Liteでxhtml1.0の仕様書を表示した例 Liteで愛生会を表示した例 Liteでむぅもぉ.jpを表示した例

なるほど。Yahoo!はほぼ100点満点。Yahoo!の場合はサーバも高速なため、Liteを使うとかなり快適に閲覧できます。xhtmlの仕様書と当サイトは、完全にcssでデザインされていたためにシンプルな表示になりました。しかしそれはそれで普通に読めるわけです。Lynxに近いかもしれませんが、Liteは画像が表示できるためLynxよりも便利っちゃ便利ですね。

愛生会もなかなかそのまんま見えています。この辺はさすがテーブルレイアウト+画像オンリーサイトですね。しかし、軽さが何よりもウリであるLiteを使っても相当重かったです。

JBrowser

最後はちょっと異色ブラウザ。Javaで作られたブラウザです。実際使ってみるとさすがに動作は重いですが、なかなか面白いなぁと思いました。あとはそれなりに表示してくれればいいのですが。

JBrowserでYahoo!Japanを表示した例 JBrowserでxhtml1.0の仕様書を表示した例 JBrowserで愛生会を表示した例 JBrowserでむぅもぉ.jpを表示した例

このような結果。とりあえずxhtmlには対応してないようです。xhtml仕様書と当サイトではxml宣言部分が見えちゃってます。

そこは考えないこととしてみてみると、Amayaと同じでまたしても当サイトだけメチャクチャになっています。仲間はずれです。スタイルシートを解除すればちゃんと読めるようにはなるのかと思いますが、あまりにシンプルな作りで「戻る」と「ホームを開く」しか操作ができないため、スタイルシートの解除などはできませんでした。CSSの実装が完璧でないのなら解除する機能は欲しかったところです。

Yahoo!は十分読めますが、今までのブラウザではほぼ完璧だっただけに今回のズレは気になります。xhtml仕様書も普通に読めはするんですがxhtml自体にそもそも対応してないし。そうなってくると、なんとなくですが愛生会が一番ちゃんと出てるような気もしないでもない。だからってこういう作り方が正しいなどという早とちりはしないでくださいね。

総評

Webサイト制作側として思うこと

今回の独自レンダリング系を使ってみて感じたのは、まずYahoo!はすごいってこと。W3Cの勧告する標準にはまったく準拠してませんが、逆に標準無視で多くの工夫をすることでかなり多くの環境でそれなりの表示をしている点はすごいと思いました。

標準に準拠し、htmlでは文書の構造のみを定義することに専念したページは、テキストブラウザなどの非グラフィカル環境では最高に読みやすくなり、cssを正しく理解できるグラフィカル環境では自由なレイアウトによりさらに読みやすくできるわけですが、cssの実装にバグのある環境での表示には心底ヘコみます。

確かにCSSにバグを持った環境までこちらが面倒みる必要はないというのはわかりますが、読みにくいのは事実。せめてそういった環境ではCSSをオフにできる機能さえあれば問題は無いのですが、それすらない環境があることも今回知ることができました。そんなときはサーバ側からあえてCSSを送信しないなどの対策を取る必要があるのでしょうが、この世に存在するブラウザを全て調べるのは無理ですし、その判定のために毎回サーバに負荷がかかるのも困ったものです。

この辺は答えが出ないのかもしれません。標準に準拠していないサイトとブラウザは排除するべきなのでしょうか、それとも標準自体を排除するべきなのでしょうか。はたまたダントツのシェアを持つブラウザに文書も他のブラウザもあわせていけば済むのでしょうか。どれも違うような気がします。

ブラウザ利用者側として思うこと

前回の定番編では、IE、Opera、Netscapeでは最新版を使えば基本的に問題なくほとんどのページを見ることができることがわかりました。そこから導き出される答えは「ブラウザなんてどれも同じ」というものだったかも知れません。実際、標準化が進むこの世の中、スタイルシートをちゃんと解釈し、Flashなどのプラグインにもちゃんと対応すれば、どのブラウザで見ても見た目は同じになるでしょう。それが利用者と製作者が求めるところであり、独自タグのような拡張をせずにいてくれたほうがいいわけです。

ブラウザ各社に争って欲しいのは、表示が等しくなった上での使いやすさ。無限の拡張性があるMozilla firefox、基本性能の高いOpera、もしくはIEベースがうれしいDonutシリーズなど、最近の使いやすいブラウザブームはいい方向に向かってると思います。とりあえず他を使ってみないで単体IEを使ってる人は、もうちょっと視野を広げればいくらでも感動できるはず。

そして、今回の独自編でわかったのが、ブラウザにはいろんな使い方があるということ。美しい表示をあえてしないLynxは、キーボード操作だけで読む工夫がたくさんあり、軽快な動作もするので文字だけのサイトはとっても読みやすいです。たとえば2chとかhtmlの仕様書とか。縦書きブラウザ影鷹や、超快速ブラウザLiteは使い道を考えればなかなかよさそう。特にLiteはhtmlマニュアル類を見るにはかなり使えそうな予感。

まあつまりはたくさんインストールして使い分ければ幸せになれるってことです。



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